「あんた、釣りやるのかい?」それは半年ほど前、神社の写真を撮っていた私に、寺の住職と思われる老人が話しかけてきた言葉。
住職:「そこの野池に、誰かがブラック(=ブラックバスと思われる)を離したんだ。 小魚が食べられて困ってるんだよ。あんた、釣り上げてくれないか?釣ったら離さないでくれよ。」
私: 「今はあまり釣りをやってなくて・・・そのうち、頑張ってみます・・・。」
消え去ろうとしていた記憶が蘇る。
爺さん、あんたとの約束を果たそう
遠い記憶を頼りに、茂木町北高岡425 安楽寺付近にある野池へやって来ました。
野池でのブラックバス釣りは、実に5年ぶり。
お前(ブラックバス)に、北斗神拳が何故に最強の拳法と呼ばれているのかを教えてやろう。
カナカナカナカナ・・・。
周囲は秋を思わせる風情、少しだけ涼しい風が頬を撫でる。
俺は眉ひとつ動かさずに、目の前の野池へと足を進める - ただ、約束を果たすためだけに -。
野池は完璧なコンディションを整えて、俺のキャスティングを待っている。
ゆっくりと息を吸い、そして勝負の時を受け入れる。
ふぉぉぉあぁぁぁっ!!!
スピナーベイトを使って怒涛のキャスティングを行う。
水門、流れ込み、そしてアシ、いや中央か。
ゴンッ!!!
ふぉぉぅ!?
予期せぬタイミングでの強いアタリ、思わずリールから手が離れてしまった・・・。
慌ててリールを掴み、再びフッキングを試みる!
・・・。
奴は、水面に巨大な波紋を残し去っていった。
初めての体験でした。アタリの衝撃でリールから手を離してしまうなんて・・・。
その後も繰り返しトライするが、奴が再び現れることは無かった。
未熟だった・・・。
これから50cmオーバーを目指すにあたり、勝負の瞬間は一瞬と心して掛かるべきでした。不覚。
爺さん、安心しな。
必ず倒してやるさ。その時が、少しだけ先に伸びただけのこと。
もっともっと実力を高め、こいつだけは釣り上げる!必ず!
再び約束するゼ!爺さん。
あんたとの約束を果たそう